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米谷・佐佐木基金

第2回米谷・佐佐木基金授賞式

日時:平成18年12月8日(金)15:00〜17:00
場所:平安会館〜羽衣〜(京都市上京区烏丸通上長者町上ル)

  • 受賞式・受賞パーティーの様子はこちら
式次第
一、開会の辞↓ 飯田恭敬
一、選考の経過並びに結果発表↓ 北村隆一
一、受賞者↓の表彰 飯田恭敬、米谷多喜子、佐佐木眞知子
一、受賞者(研究部門)の挨拶 宇野伸宏
一、受賞者(学位論文部門)の挨拶と受賞講演 福田大輔
一、研究報告講演↓ 赤松 隆
一、閉会  
開会の辞
飯田恭敬

 米谷・佐佐木賞もおかげさまで、今年で2回目になりました。ご承知のように、米谷栄二先生、佐佐木綱先生は、交通工学の先駆け的な役割を果たされた先生でございまして、たくさんの注目される研究成果を発表してこられました。ISTTT (International Symposium on Transportation and Traffic Theory)、世界の交通・運輸研究シンポジウムも、米谷・佐佐木連名でフロー・ダイナミクス、いわゆる追従理論が、アメリカのオペレーションズ・リサーチ学会誌に掲載されたのと時を同じくして、GMグループのハーマン(Robert Herman)教授も同じようなモデルを出された。

 お二人がある学会で、「いろいろな研究者が世界にいるけれども、新しいアイデアはけっこう似ているところも多いな」ということを話し合われたのが、この国際会議を作るきっかけだったと聞いております。

 フロー・ダイナミクスの他にも、マルコフのネットワーク理論やエントロピー・モデル等々、交通工学の研究者に影響を与えた研究がたくさんございます。従いまして、この賞の特徴ですが、新しい、これからの交通工学の発展に寄与する革新的な研究、そういうものを対象に選ばせていただくことになっております。当研究所がこういう賞を出すということは、少々おこがましいところもございますが、こういった賞を通じて、交通工学の革新的な研究、先駆け的な研究がどういうものであるかということを、ささやかですけれども発信をしていく、そういう役割も果たしていきたいなと思っております。

 簡単ですがこれでご挨拶に代えさせていただきます。どうもありがとうございました。

選考の経過並びに結果発表
北村隆一

 今年も力作をたくさん応募していただいて、非常に手応えのある選考過程でございました。研究部門、学位論文部門二つの部門につきまして、選考の経緯をご報告いたします。 まず研究部門でございますが、
(1)「当該分野の研究や発展に対する貢献度」
(2)「テーマ、方法論などの新規性」
(3)「社会的意義、現状問題への適用性等々の有用性」
(4)「新研究テーマへの進展、他分野の研究との融合等々の発展性」
(5)「研究の進捗状況、今後の研究計画の具体性等の成果の見通し」
の五つの項目で評価をいたしました。
 各々の項目につきまして、6名の審査員が1点から5点までで採点して、これをまず事務局に送って整理していただく、そののちに審査員会を開くという手順をとりました。単純に点数だけ見たわけではございませんが、研究部門は京都大学大学院経営管理研究部准教授の宇野伸宏先生に授与されることに決まりました。

 審査員からのコメントを少し紹介させていただきますと、「車両個別の走行軌跡を観測することにより、交通事故に至るプロセス挙動を解析して走行危険度評価を行った先進的研究であり、その成果には新しい知見が多く示されており、当該分野における貢献度は極めて大きい」。「交通シミュレーションを交通安全評価に活用しようという取り組みにも新規性が認められる」。というように、非常に高い評価を示すコメントをいただいております。

 つぎに学位論文部門でございますが、
(1)「学位論文の新規性」
(2)「分野への貢献度」
(3)「研究成果の有用性」
(4)「今後の発展性」
の四つの項目で6名の審査員が点数をつけ、それを持ち寄り、さらには定性的な内容についての議論を重ねて選考するという経過をとりました。力作がたくさんあって、審査する者にとってはわくわくするような体験でございましたが、全員一致で学位論文部門は東京工業大学大学院理工学研究科土木工学専攻准教授の福田大輔先生に授賞が決定しました。

 またここでコメントを引用させていただきます。「社会的相互作用を考慮した個人離散選択モデルと社会全体のマクロ均衡方程式の整合およびモデルの統計学的同定法に新規性が見られる」、「現在の行動モデルに人間行動の新たな側面を追加した研究で、ITS普及、放置駐車などの適用を通じて、いくつかの政策ポイントを指摘したことは評価に値する」という評価をいただいております。

 両部門とも非常に優秀な応募を数多くいただき、また秀でた受賞者を迎えることができて、我々一同非常に喜んでおります。あえて言えば、反省点として、応募制をとっておりますので、どうしても検討対象にする候補者が限られるという点もございました。この点などは、今後改良できるならばしていきたいと考えております。

 この賞が非常に優れた貢献をされた研究者を讃え、また新たに学位論文をすまされて学界に登場する人々を迎え受ける賞として定着していくことを願いまして、我々審査員のほうも努力していきたいと考えております。また変わらぬご支援を引き続きいただきますようお願いいたしまして、経過報告とさせていただきます。ありがとうございました。

受賞者

研究部門

受賞対象既に評価の高い研究成果を発表するとともに、現在斬新な研究プロジェクトを推進中の若手の研究者あるいは技術者

宇野 伸宏氏

宇野 伸宏
京都大学大学院経営管理研究部 准教授

【 研究題目 】
画像データを用いた交通コンフリクトシミュレーションの構築と交通流の安全性評価に関する研究

「研究部門」受賞者の挨拶と発表の様子

学位論文部門

受賞対象過去3年(2003年度、2004年度、2005年度)内に取得した特に優れた学位論文

福田 大輔氏

福田 大輔
東京工業大学大学院理工学研究科 土木工学専攻 准教授

【 学位論文題目 】
社会的相互作用が交通行動に及ぼす影響のミクロ計量分析

「学位論文部門」受賞者の挨拶と発表の様子

研究報告講演
赤松 隆氏

赤松 隆
東北大学大学院情報科学研究科交通制御学研究室 教授

【 研究題目 】
交通渋滞解消のための"優先的サービス権"配分システム

研究報告講演の様子

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