人と地域にあたたかい社会システムを求めて


ホーム>公益事業情報>米谷・佐佐木基金>過去の授賞式>第14回米谷・佐佐木基金

公益事業情報

米谷・佐佐木基金

第14回 米谷・佐佐木基金授賞式

日時:平成30年11月30日(金)15:00〜17:00
場所:ホテル日航プリンセス京都 〜ローズ〜(京都市下京区烏丸高辻東入ル)

  • 受賞式・受賞パーティーの様子はこちら
式次第
一、開会の辞↓ 桑原雅夫
一、選考の経過並びに結果発表↓ 藤原章正
一、受賞者の表彰↓ 桑原雅夫、佐佐木眞知子
一、受賞者(創研部門)の挨拶と受賞講演 森川高行
一、受賞者(学位論文部門)の挨拶と受賞講演 水谷大二郎
  山口裕通
一、受賞者(ISTTT功績部門)の挨拶と受賞講演 Richard Allsop
一、閉会  
開会の辞
桑原雅夫

 みなさま、お忙しいなかこの授賞式にご参列いただきまして、ありがとうございます。この米谷・佐佐木賞も、今回で14回を迎えました。私は飯田恭敬先生、近藤勝直先生の後を引き継ぎまして、今回から選考委員長を仰せつかっております。よろしくお願いいたします。近藤先生は、選考委員もご退任されまして、新たに東北大学の赤松隆先生を選考委員としてお迎えしております。赤松先生はご承知のように、第1回の米谷・佐佐木賞の研究部門の受賞者です。世界的にも、理論研究の第一人者として知られている方であります。よろしくお願いいたします。

 私にとって米谷榮二先生と佐佐木綱先生の印象は、我が国の交通工学のパイオニアということで、戦後間もない時代に「追従理論」という斬新なアイデアをひっさげて世界と渡り合ったという強烈な印象を残された、尊敬する先生方でありました。私が研究者として一歩を踏み出したのは1980年代です。それから関東のほうで教育を受けたものですから、私自身は、じつは米谷先生とは一度もお会いしたことがございません。それから、佐佐木先生とも数回お話しさせていただいただけでして、まさに「雲の上の方」という感じの先生でした。いまはこの賞の重みをあらためて感じながら、この大役を全うする所存ですので、ご支援・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

 さて、この賞も14回になりますが、博士論文を書かれて間もない若手に贈られる学位論文部門には、水谷大二郎先生と山口裕通先生のお二人が選出されました。あとで審査の講評があると思いますが、学位論文部門はこのところ応募数が多くて、今年も激戦だったと思います。

 一方、11回目から新設された創研部門は、これまでの十分な実績をベースにしながら、斬新な研究に取り組んでいる、若手ではなく熟年といいますか、そういう先生に贈られる賞です。今年は名古屋大学の森川高行先生に受賞いただくことになりました。森川先生は行動分析では世界的な業績を上げられている方ですが、ここ数年は新しい取り組みとして、自動運転の社会展開に関する研究に意欲的に取り組んでおられます。それが一つの大きな授賞の理由だったと思っております。

 さらに今年は、米谷先生・佐佐木先生が創設時から深く関わられた国際学会でありますISTTT(The International Symposium on Transportation & Traffic Theory)に大きく貢献された方として、University College LondonのRichard Allsop先生にISTTT功績賞が贈られます。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、米谷先生は、ISTTTのHonorary memberになっています。佐佐木先生は、ISTTTのFoundersというところにお名前が登録されています。ISTTTを始められた人の一人となっているわけです。

 ちょうど10年前に、じつは私はISTTTのFoundersを決めるタスクフォースに入れられまして、Allsop先生と一緒に、誰をISTTTのFoundersにするのかを考えました。世界をリードしてきた諸先輩方を若輩の私が評価するみたいな大役を仰せつかりまして、その記憶がいまAllsop先生のお顔を拝見していますと蘇って参ります。

 最後に英語で、
Professor Richard Allsop, Congratulations for Kometani Sasaki Award for contribution to ISTTT, and thank you very much for coming to this our ceremony. We recognize that you have been contributing to ISTTT, not only through papers submissions, but also steering this symposium for a long time. We are all looking forward to your speech that scheduled later. Thank you very much.

 これから審査の講評、そして受賞者からの一言が控えておりますので、この賞の活性化と、受賞者の皆様方の今後のますますのご発展を祈念して、冒頭のご挨拶とさせていただきます。

選考の経過並びに結果発表
藤原章正

 選考委員会を代表しまして、受賞者の方々の選考理由と経緯についてご報告をさせていただきます。森川高行先生、水谷大二郎先生、山口裕通先生、おめでとうございます。

 まず創研部門についてです。先ほど桑原委員長からご説明がありましたように、この部門は、交通工学、交通計画の分野におきまして、斬新な研究テーマを推進中の──終わったわけではなくて、いま現在推進中の研究者および技術者を表彰するものでございます。このたびは、他を圧倒する抜群の評価をもちまして、名古屋大学未来社会創造機構教授の森川高行先生が受賞されることになりました。のちほどご紹介いただけると思いますが、「ICTを活用した革新的交通システムの提案、需要分析、及び実証実験」ということでございます。10年後、20年後につながる研究テーマを拝読したように感じております。

 学位論文部門はもう14回になりますので、伝統的にかなり長い間受賞者が蓄積していっているのですが、過去の受賞者たちは間違いなくその後活躍されて、現在では交通工学・交通計画の分野でリーダーシップを発揮されております。このたびは、晴れて新たに2名の方々が、このリーダーに加わったということでございます。

 お一方は、東北大学の災害科学国際研究所助教の水谷大二郎先生です。「アセットマネジメントにおけるデータ欠損補完と多元的劣化評価に関する研究」ということです。私が言うまでもございませんが、ビッグデータ全盛時代におきまして、各種データが入ってくるわけですが、アセットマネジメントでそれをいかに処理するかということをかなり高度な手法を使われて、データ欠損補完ということに取り組んでいらっしゃる前向きな研究でございました。

 もうお一方は、金沢大学大学院理工研究域地球社会基盤学系助教の山口裕通先生です。山口先生の研究は、いわゆる都市間交通のパターンについて経年変化を追いかけたという、テーマを見ると地味な研究ですが、じつはアイデアはふんだんに盛り込まれております。新たに新規路線が開発されたときの行動パターンの変化だけではなく、廃止された際の影響も考えておられます。たとえば私は広島から来ましたが、広島では三江線が廃止になります。そうした交通サービスが廃止されたときの影響までも合わせて分析しようというチャレンジングな研究に取り組まれた方でございます。

 学位論文部門は2015年の9月から2018年の8月、過去3年間に書かれたドクター論文の中から選ばれておりまして、このたび応募いただきましたのが全部で9名いらっしゃいます。その中のお二方がこのたび晴れて受賞されました。この優秀なお二人でさえ、じつは去年から応募されています。つまり、我々のこの分野は、どんどん新しい研究者が博士課程後期を卒業されて研究者仲間に入ってきて、その方々がいい意味での競争の中で勝ち抜いて行かれているということでございます。

 最後はISTTT部門です。これは2年に1回授与しているものです。今年は当たり年と言いますか、晴れて第2回になりますが、Richard Allsop先生にお越しいただくことになりました。

 We very much pleasure to invite you today, thank you very much for coming. And there are no words to explain your achievement you are specialist in the field of optimization and traffic flow theory. Personally, I don't know you remember me or not, but I got good opportunity to stay UCL London for 1 year from 1966 to 1967. That time there were good big group that is the transportation research center in UCL and Imperial college. Then, I was working in Imperial College, collaboration with John Polak as in the field of traffic behavior by using the very much narrow statistical modeling approach. On the other hands, he was very much kind to me, I submitted the proposal to get the money to stay the London 1 year from JSPS, that was very much competitive to me. Very much lucky for me, professor Richard Allsop UCL London kindly accept me, as a host to stay the London for 1 year. Before apply JSPS, he sent a recommendation letter to me. Then, thanks for him, I got the scholarship to stay 1 year. To be honest, I did not stay in UCL. I stay in Imperial college, but I sometimes visit his office of UCL, to make joint research together. Anyway, I personally very much pleasure to meet you again to be cerebrate your achievement. Thank you for coming today.

 以上で私の講評に代えさせていただきます。ありがとうございました。

受賞者

創研部門

受賞対象 交通工学・交通計画の分野にて、斬新な研究テーマを推進中の研究者および技術者

森川高行氏

森川 高行
名古屋大学 未来社会創造機構 教授

【 研究題目 】
ICTを活用した革新的交通システムの提案、需要分析、及び実証実験

「創研部門」受賞者の挨拶と発表の様子

学位論文部門

受賞対象 2015年9月から2018年8月に取得した特に優れた学位論文

水谷大二郎氏

水谷 大二郎
東北大学 災害科学国際研究所 助教

【 学位論文題目 】
アセットマネジメントにおけるデータ欠損補完と多元的劣化評価に関する研究

「学位論文部門」受賞者の挨拶と発表の様子

山口裕通氏

山口 裕通
金沢大学大学院 理工研究域地球社会基盤学系 助教

【 学位論文題目 】
交通サービスの新設・廃止による都市間旅行パターンの経年変化

「学位論文部門」受賞者の挨拶と発表の様子

ISTTT功績部門

受賞対象 米谷・佐佐木先生に由来のあるISTTTに貢献された研究者および技術者

Richard Allsop氏

Richard Allsop
Emeritus Professor of Transport Studies at University College London

 
本講演録は、Richard Allsop 先生の寄稿を掲載したものです

「ISTTT功績部門」受賞者の挨拶と発表の様子

  • 公益事業情報TOP
  • 米谷・佐佐木基金TOP
  • 過去の受賞式
関連リンク

情報化月間はこちら


ページの先頭へ

InstanceEnd -->